2012.
10.
29
21:46:27
日々のこと、わすれないように。
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Author:ゆう
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2012.
10.
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21:46:27
2012.
10.
29
21:41:10
2012.
10.
29
17:45:06
終わらせるのが惜しく、なんとなくのばしのばしになっていたこの紀行文も
そろそろおしまいにする頃合い。 * 津軽鉄道で五所川原まで行く道すがら、どう帰ったものか考える。 五所川原から弘前までは電車を除けばタクシーしかない。 タクシーを呼び止めて、弘前まではどのくらいかかりますかと聞くと 約1時間くらいあれば、とのことだったので、そのまま乗せてもらうことにした。 予期せぬ交通費の出費がかさんで、財布の中身はすっからかんである。 タクシーの運転手は東京で働いていた時期のあるひとで この間ひさしぶりに東京に行ったら、 自動改札のピッとするやつがよくわからなくて困ったと言っていた。 タクシーの窓からは岩木山がよく見えた。 思えば晴天にめぐまれた旅行だったけれど、最終日のこの日はことによく晴れていた。 関東のひとは山と言えば富士山なんだろうけど、 青森に住んでるわたしらにとって、山は岩木山だからね。 どんな山より、ああ、きれいだあと思ってるんだ。 いろんな地域から見る岩木山はそれぞれ違うんだよ、と運転手は言った。 弘前から見る岩木山はなだらかでうつくしく、 五所川原から見る岩木山はごつごつと筋肉質だった。 その地域でしか見えない岩木山の姿が、青森に住むそれぞれのひとの故郷の山の形なのだろう。 タクシーでの道中は思いがけず楽しく、お互いに、「また」と言って別れた。 弘前からJRで新青森へ向かい、時間通りにE5に乗った。 復習のように「津軽」を読みふける。 訪れた場所や、地図や路線図で目にした地域の名前に 魂が宿ったかのようにあたたかくいとしい。 追記:のちほど青森の写真を写真をアップします。
2012.
10.
21
16:11:20
金木のまちの空は青々と澄んで、そしてしんとしていた。
歩くとじんわり汗をかいた。 郵便局の前を通りかかると、郵便物は太宰仕様の消印を押してもらえるとのことで はがきでも出そうかしらと思ったけれど、新幹線に乗る時間が迫っていたので 涙を飲んでやめた。 まず津軽三味線会館で生のじょんがら節を聴いてから 太宰の生家の斜陽館へ行った。 豪奢にしつらえられた部屋部屋をめぐりながら、 カニを食べる太宰を思った。 来館したひとが書き込めるノートをぺらぺらとめくって読んでみると 「こんな家に住んでいたなんてすごいひとなんですね!」と書いてあった。 たしかに、そうなのかもしれない。あるいは。 今度は彼の終のすみかとなった三鷹村、もとい三鷹へ行こうと思った。 斜陽館を後にして、目の前にあるお土産やさんマディニーに行って「津軽」を買った。 それから太宰らうめんという根曲がり竹の入ったラーメンを頼んだ。 根曲がり竹、おいしい。おいしい。 * さて、帰らねばならない。 帰りの時間を調べると、五能線が来るのが2時間後ということがわかった。 2時間後に乗ったら、新幹線の時間にぎりぎり間に合わない。 * 次回 青森記⑮:無骨な岩木山、たおやかな岩木山、それぞれの場所からの眺め/ねぶた(仮)
2012.
10.
07
23:15:17
早いものでもう最終日である。
「酸いも甘いも吸いつくした、なんてことは言わないが、なかなかスリリングな旅であった」 などとのんきに回想を始めていた。 すばらしい快晴である。 五所川原へ。 例によって電車の本数が壊滅的に少ない。 特急で移動するつもりが、あいにくの満席のため1時間足止め。 駅員さんが金木まで行くのなら、と勧めてくれた 津軽フリーパスを購入して、普通電車の到着を待つ。 津軽フリーパスは2日間有効で2000円、 弘前〜金木を往復するならそれだけでいくらか浮く。 奥羽本線に乗って五所川原へ。 広がる田んぼの奥にそびえる岩木山のなだらかな傾斜がうつくしい。 川部駅でスイッチバック、5分停車してから五能線に入る。 左右に連なるりんごの木の間をすり抜けて、ひたすら弘前から遠ざかる。 五所川原で降りて津軽鉄道に乗り換え。 駅のホームにぶらさげられた赤い金魚がいくつも風に揺れて、目に涼しかった。 津軽鉄道の車体には、斜体がかかった「走れメロス」の文字があった。 津軽鉄道はしぶい柿色で2両編成、好ましい枯れ方である。 今回はローカル線に乗るというのも1つのテーマだったので、念願の津軽鉄道だったのだが この津軽鉄道、実は、ちょっと、臭う(本当はちょっとどころではない)。 おそらく、冬に車内で焼いたするめの臭いが、いたるところにしみついているのだろう。 鼻のきくわたしはときどきえづきながら、生まれて初めてするめを心から憎いと思った。 電車はそれでも走る。 五所川原から金木の駅までは25分ほど、田んぼの間をまっすぐのんびり走る。 不意に青い稲の間から何か飛び立つのが見えた。 その姿を目で追うとそれは鶴、タンチョウだった。 その姿の端正でうつくしいこと。 つる、するめ、やま、するめ。 * 次回 青森記⑭:津軽じょんがら節/太宰の生家へ |
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